30年前のこの日

1977年はオレにとって衝撃的な年だった。
ロックンロールの年表にはこの年、ロンドンでパンクが猛威をふるい、エルヴィス・プレスリーやマーク・ボランが他界…などといったことが刻まれているだろうが、東京・下町の少年のその後の人生を大きく変える出来事があったのだ。

1977年 KISS初来日。大阪を皮切りに全10公演のツアーが行われた。
そして30年前の4月2日。なんと東京・日本武道館にて昼夜2回のショーを行なっているのだ(月並みな表現だけどジャニーズ並みだ)。そしてこの日のコンサートを天下の国営放送・NHKが『ヤングミュージックショウ』として収録し、5月7日にオンエア。土曜日だったので速攻で帰宅して、たった1つの録音機材である英語の教材用のラジカセをTVの前に置きかじりついて観た。味わったことのない衝撃だった。ヴィデオなど普及してない時代。必死で目に焼き付けようとしたが、必死になる事すら忘れさせるほど強烈な体験。録音途中でオフクロの声や飼っていたインコの鳴き声が入ってしまったトホホなカセットテープはテープが伸びてしまうほど繰り返し聴いた。時には風呂場に持ち込んでまで聴いた。

嗚呼、いったい何人の人達が同じような行動をとり同じような衝撃を受けたのだろう。必ず同世代のKISS ARMYと話すと一度はこの話題になるのだ。
そしてこの番組を観るまではクラスメイトと『なあ、キッスのメンバーで誰が好き?』なんていう誰もがする質問にオレはまだ誰か一人とは答えられなかったが、観ている途中ですでに悪魔に魂を奪われ、観終わってからはもはや彼の虜になったのを自覚し、ロックスターというカテゴリーよりむしろガキの頃大好きだったゴジラと同じ次元でジーン・シモンズの大ファンになった。恥ずかしい話だが、あの頃はまだどの音がベースの音かすらわかっていなかったな。

ちなみに翌‘78年の4月2日にもKISSは武道館でコンサートをしている。この2度目の来日を見逃した(友達がオレの分のチケットを取り忘れた)事は、大袈裟でなく『広瀬洋一・人生5つの後悔』に確実にランキングされている。つまりオレは自分で<黄金時代>だと思っているKISSの’70年代のライヴをナマでは体験していないのだ。でも人生はわからない。逆にもしそれを体験していたらどこかで歯車が変わり、今のオレは存在しないのかもしれない。

あの<地獄の初体験>からちょうど30年の時が流れた。いつも春になると『LET ME GO ROCK AND ROLL』のBメロと『ROCK AND ROLL ALL NITE』のイントロや紙吹雪を思い出す。逆にこの2曲を聴いたり演奏したりすると春の情景が浮かぶのだ。調べてないけど確かこの季節に来日した回数が多かった気がするな。
もう何度も観たが、今夜は今一度先月手に入れた『KISSOLOGY』のDISC2に収録されている1977年4月2日の武道館のノーカットのライヴ(TVでは編集されていた)を観ようと思う。また冷えたジンでも飲もうかな。

2007.04.02 (Mon) 0:00:00