HEESEY THE BASSMAN -Youichi Hirose-
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FENDER JAZZ BASS ’62 BLOND

これこそがとっても遅咲きながらヴィンテージフェンダーにドップリと魅せられてしまい、大袈裟じゃなく我がベーシスト人生に衝撃を与えてくれたジャズベースである。このベースとの出会いもやっぱりちょっと運命を感じた。

’05年の初夏の頃だろうか、バンドの存続の事であれこれ悩みながらも、<いちベーシスト>として腕を磨きたいと思っていた。そのちょっと前くらいからジャズベに興味をそそられて、’99年頃に
手に入れた’64年のサンバーストを自宅でよく弾いていた。今思うと本格的なヴィンテージのジャズベとは?という強い好奇心が芽生えてきたのだろう。

ちょうどその頃、行きつけのお世話になっている楽器屋さんに行ってみると、アメリカのショーで買い付けてきた商品が入荷した直後だった。こりゃ楽しい!といろいろ見ていると、まだ値札がついていない、いかにも弾き込まれてボロボロの年季のはいったブロンドボディがそこにいた。吸い込まれるような魅力があり、最初は思わずジックリ眺めてしまった。すぐに試奏をさせてもらい、まず最初の衝撃を受けた。アンプを通さず弾いてみたのだが、とにかく弾きやすく、ナマ音がデカい。うまく言えないがフィンガーボードに指が張り付く感じがした。今度はアンプにプラグインして思いっきり弾きまくった。指弾きでもピックでも問答無用に気持ちいい。ずっと弾いていたくなった。経年変化によるピックガードのゆがみさえ愛おしく思えて、ついつい撫でてしまった。

その日は時間に余裕もなく取り置きせずに帰宅したが、夢に見る程気になってすぐに前述の’64のサンバーストを持って弾き比べに行った。幸いその時、他にも4、5本のヴィンテージジャズベがあったので、全て弾き比べた。しかし、すべての点でどれもこのブロンドにはかなわなかった。圧倒的だった。ヴィンテージジャズベのホンモノの素晴らしさを思い知らされた。
もう何年来の付き合いをさせてもらっている店員さんが、いつもの穏やかな笑顔でなく真剣な顔でいろいろと語り始めた。いかにこのベースが超レアなうえに素晴らしいヴィンテージかを。その時、ビジネスを越えた本音を感じた。自分も商売をしていたから、ビジネストークならお見通しだ。なんだかとても嬉しかった。結果、これから先このジャズベをバッチリ鳴らしていくベーシストになりたいと強く決意して購入した。

確かにレアである。2連スタックノブは’62年前半でこの3ノブに変更されているし、中頃にはこの<スラブ貼り>(写真参照)から<ラウンド貼り>に変更されているので、’62年の前半から中頃の間のほんの一時期に生産されたことになる。更にはブロンドカラーなので、アッシュ材が使用されているため音色もアルダー材とは違うのだ(’72のブロンドのプレベ参照)。

記念すべきヴィンテージフェンダー第1号にふさわしいこのブロンドのジャズベは、森重樹一氏のソロアルバム『CHRONIC LAY ABOUT』のレコーディングで下記の5曲で使用し、その後のソロツアーでも活躍した。
根無し草、CHRONIC LAY ABOUT、一人にしないで、涙のNIGHT TRAIN、
新しい旅
また、HEESEY WITH DUDESの『LOVE,LIFE,LIVE』のUNRELEASED SONGS
に収録されている下記の3曲でも使用している。
ROLLER COASTER、SHAKE OUR SOULS、LONELY RUNNER


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FENDER PRECISION BASS ’61 SUNBURST

初公開の現在所有している最古のベース。’05年にヴィンテージフェンダーの魅力に取り憑かれた後、’65年の黒のプレベがレコーディングで活躍したのでさらに年代の古いプレベを追求
したくなった。何度も書いているが、ヴィンテージでも渋くて枯れた感じは好みではないので、果たして好みである粋が良くてパワーのあるモノは存在するものなのかちょっと疑問ではあった。
しかしこの塗装が剥がれまくって、かなりボロボロで相当弾き込まれたプレベは思いっきり期待に答えてくれたのだ。

何よりもまずボディ材が乾きまくっていて、とにかく軽い。そして異常に弾きやすい。単純な事だが重要なポイントだ。1〜4弦のバランスもとても良く、特に’60年代初期の特徴か1、2弦の音がかなり太い。これは演奏していて例えば3弦から2弦に移った時や、オクターブ奏法をした時などにとても心地良いのだ。、巨大な岩がゴロゴロ転がるような、まさにザッツ・プレベサウンドといった感じである。

この年代の特徴の1つに通称<スラブ貼り>とよばれる仕様がある。ネックに対して指板の貼り合わせ面が平らになっている(写真参照)。この製法は‘62年の中頃には通称<ラウンド貼り>に仕様変更された。これは、ネックに対して指板の貼り合わせ面にアールが付いている。<スラブ貼り>のサウンドの特徴は<ラウンド貼り>より指板のローズウッドが厚いため、音が太いと言われている。実際に’65年の黒のプレベや’72年のブロンドのプレベと比べると、やはり比較的音が太く感じる。前述の1、2弦の音がかなり太いというのもスラブ指板の影響だろうか。

いつもヴィンテージやオールドの楽器を見たり弾いたりして思うのだが、このプレベのように塗装が剥がれまくっていてキズなども多くボロボロなモノは、何十年にもわたって相当弾き込まれていて、大抵の場合深みがあるゴキゲンなサウンドになっている。反対にミントなどと呼ばれる年代が古くてもピッカピカな新品同様のモノは、大抵音が若いモノがほとんどだ。コレクター気質も全然ないわけではないが、即戦力になり得るサウンドが欲しいので、新品同様なモノはほとんど興味をそそられない。

このベースはまだレコーディングでもライヴでも使用していないので、機会があったら是非試してみたい。


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FENDER JAZZ BASS ’65 SUNBURST

現在一番最後に手に入れたフェンダーのベース。以前から所有している2本のジャズベのスペアになるモノを探していた。というのも知人からの助言で、ヴィンテージの楽器はいつ故障するかわからないし替えがきかないから、スペアになりうるモノを持っていたほうがいいとアドバイスされていたのだ。とはいえあくまでもスペアなのでリフィニッシュのモノなどを中心に、こまめに何軒も探していたがなかなかいいモノに巡り会えずにいた。

ある日、また黒の’65のプレべとジャズベを買った楽器屋さんに相談に行った。
結局望んでいるベースはなかったが、そこには心地良く鳴り響くこのベースがあったのだ。試奏してみると、渋い感じとは違う弾むような元気な’65年的サウンド。ボディのキズや塗装のハガレが、弾き込まれている証だろう。生音もデカく、店内の他のベースと弾き比べてもダントツだった。元々スペアを探していたのに、メインになりうるモノと出会ってしまい、ゴキゲンなサウンドにヤラれてついつい購入してしまった。

これで’65年のジャズベが2本になってしまったが、やはりまた個体差に驚く。
同じ元気のいいサウンドでも、そのベクトルが違うのだ。黒はちょっとトレブリーだけど超低域もしっかりあって、少し攻撃的な音色であり、サンバーストは、低域から高域までバランスのとれた、ちょっと優等生的な音色である。
それと面白いもので、同じ’65年製でもネックプレートとシリアルナンバーが全然違うのだ。サンバーストは<Lシリーズ>と呼ばれるモノでナンバーがL61550。黒は<Fロゴ>と呼ばれるモノでナンバーが10926で、プレートの中央に大きく<F>と刻印されている。この事から同じ年代でも’サンバーストの方が’65年初頭に作られている事がわかる。(参考文献・フェンダーベースヒストリー)


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FENDER JAZZ BASS ’65 BLACK

’05年に手に入れたジャズベース。以前のHPにも書いたことがあるが、このベースとは因縁めいた出会いをしている。

まず、’62年のブロンドのジャズベを手に入れて衝撃を受けた後、’64〜5年製のアルダーボディの粋のいいパワフルなジャズベが欲しくなった。どうせならカッコいいカスタムカラーがいいなぁと、あれこれ探していたら雑誌の広告で黒のジャズベを発見したが、チェックしたのが遅かったので、残念ながら売れてしまっていた。かなりショックを受けて凹んでいた。

ある日、近くを通ったので’65年の黒いプレベを買ったお店に寄ってみた。ヴィンテージの黒のジャズベなんてとてもレアだから、どうかなぁと思いつつも、顔馴染みになった店員さんに手に入るかどうか訊いてみた。すると近々アメリカに買い付けに行くと言うので、レアなだけに期待せずあきらめ半分で頼んでおいた。

それから何日が過ぎた頃だろう、HEESEY WITH DUDESの最後のツアーで札幌にいた時、店員さんが興奮ぎみに『例のヤツ、買い付けて来ましたよ!』と電話をくれた。胸が高鳴った。早速ツアーの合間にお店に行ってみると、そこには分解されたブラックボディが横たわっていた。通常、買い付けはギターショウなどで行われるのだが、コレは仲良くなった大富豪のコレクターの家に招待された時に発見して、頼み込んで買い付けてきてくれたらしい。感謝感激。

分解されたボディを見せてもらっていると、ネックデイト(ネックの下の部分に印された製造年)の話になった。そこには<7 DEC 65>と刻まれていた。1965年12月7日。なんとHEESEY WITH DUDESのラストライヴのジャスト40年前に作られていたのだ。単なる偶然とは思えず、鳥肌が立った。バンド解散の理由は、個人的に<いちベーシストに戻りたい>ということだったので、勝手な思い込みかもしれないが、このベースは何だか神様からの贈り物のような気がしてしまった。

このベースはマッチングヘッドと言って、ボディとヘッドが同じ色に塗装されている(写真参照)。ここも大好きなポイントだ。この時期のカスタムカラーのみに採用されているが、昨今のカスタムショップのモノもこの時代に倣って採用している機種もある。

音色は、’62年のブロンドのジャズベと弾き比べると(諸々の相違点があるが)、音がまだ少々若い感じがする。それなりには弾き込まれてはいるし、’65年だけあって元気はあるので即戦力になるが、これからもっと弾き込んでいくと将来が楽しみだ。

まだ’06年の森重樹一氏のソロツアーでしか使用していないので(とはいえかなり活躍してくれた)、早くレコーディングでも試してみたい。


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FENDER PRECISION BASS ’65 BLACK

こちらはひょっとして初公開かもしれない。’05年に購入したモノで、初のヴィンテージ・プレベである。しかもサウンド、ルックス共にGOODで、色も超レアなカスタムカラーだ。確かにこのあたりの年代で黒はお目にかかったことがない。白いピックガードが変色しているのがまたいい。初めてネットで発見した時は、あまりのカッコ良さに速攻で楽器店に電話して取り置きしてもらったほどだ。

’97年に初めてオールドのブロンドのプレベを手に入れて、レコーディングで威力を発揮しているのを実感していたが、当時は他のベースも同様にあれこれと使い分けていたので、プレベに関しては70年代止まりだった。とにかく粋が良くてパワーがあるベースが大好きだったので、60年代のヴィンテージには『枯れていて渋い』という好みと相反するイメージがあって、その上高価だということもあり、なかなか一歩踏み込めずにいた。
しかし時は流れて、自分もヴィンテージになって来たせいもあり(1963年製だからね<笑>)、だんだんにヴィンテージフェンダーの魅力を体験したくなってきた。まずは’62年のブロンドのジャズベを手に入れて、大袈裟でなくベーシスト人生が揺らぐほどの衝撃を受けた。『んじゃあ’60sのプレベは?』と思い、このベースを買うに至ったわけだ。

購入の際、’72年のプレベを持って行き、この’65年と弾き比べてみた。違いは歴然だった。どちらが優れているというわけではない。しかし前述のヴィンテージは『枯れていて渋い』というイメージは、完全に崩れ去った。個人的な好みである粋が良くてパワーがあるサウンドは、60年代のヴィンテージもモノによっては、きちんと持ち得るのだ。ただし比べると、ベクトルが違うような気がする。ヴィンテージは圧倒的にボディが鳴っている。一般的には木材に理由があると言われている。所有している60年代のベースを弾いた限り、確かにそれは正論であろう。ギブソンとか他のメーカーでも同じことが言える。

このベースは、森重樹一氏のソロアルバム『CHRONIC LAY ABOUT』のレコーディングで下記の5曲に使用した。
GYPSY ROSE、BABY,COME TOGETHER!!!、LOST EMOTION、
YES,I’M FREE、DARLING DARLING

ヘッドのロゴはトランジション・ロゴと呼ばれるタイプ(写真参照)。


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