OTHER
DIPINTO BELVEDERE BASS '01 BLACK&PEARL

一目惚れだった。衝動買いだった。ショッピングが大好きで、よく衝動買いをするが、さすがに楽器はそれ相当な値段がするので、一目惚れはあるが衝動買いはめったにない(でも<衝動決め>はある…)。そして久々の新品買いでもあった。以来も新品の楽器は買っていない。
'01年、時々思い出したように行く楽器屋さんで出逢ったのだが、とても衝撃的だったのを覚えている。なによりこのルックスだ。同機種でボディの一部の色が黒のかわりにスパークルグリーンのモノもあって、ちょっと迷ったがラッキーカラーで大好きな色である黒にした。黒のほうがパールが映えるし、パーツが銀ラメでそれにも相性がいいのが気に入った。オールドやヴィンテージばかり追い求めていたので、値段が手頃だったのもよかった。
しかし、なによりだったのは、サウンドだ。勝手な決めつけかもしれないが、通常このテのビザール(フランス語で奇怪なという意味)系な楽器は、残念なことにルックスとサウンドが両立しない場合がほとんどだと思う。このベースの場合も、申し訳ないがサウンドは二の次と腹を括っていたのだ。だが、実際に試奏してみるととても素直でバランスのいい音色で、ハッキリ言ってビックリした。結局、いざ一目惚れだあ衝動買いだあと言いつつも、サウンドが伴っていて、楽器としてのクオリティが高いのが決め手だったのだ。
このベースはクリスディピントという人のブランドのモノで、彼は古き良き時代のアメリカンクラシックを愛し、ビザールギターが持つ斬新なデザインに多大な影響を受けて、これらの楽器を作り上げたとの事。60年代のレトロフューチャーなゴージャス感が滲み出ている感じがする。現物は、写真より更にギラギラした雰囲気だ。
ボディ材はマホガニーで、ホローボディ構造。ピックアップはオリジナルのシングルコイルのモノが2基搭載されている。現在市販されているモノはポジションマークが星型だが、これは初期のモノゆえかドットポジションである。
このベースはHEESEY WITH DUDESの1stアルバム『OBSTINATE ROCKAHOLIC』のレコーディングの際、以下の4曲で使用した。
ならず者アイムソーリー、CAMDEN TOWN、ケセラセラ、EVERLASTING ROAD
SPECTOR NS-2 80's OIL

これは初公開のベース。2004年に手に入れたスペクターのNS-2である。スペクターは、80年代から90年代初頭あたりにかけて一世を風靡した、当時を代表する人気機種だ。なんせあのジーン師匠でさえ、ノーメイク時代のプロモーションヴィデオで白いスペクターを使用しているぐらいである。勿論現在でも市販されていて、人気機種として定番化しているようだ。
何故このNS-2が欲しかったかというと、このベースが人気を博していた当時は,あまりにも高額で手に入れられなかった事と、フェンダーやギブソンなどの古き良きヴィンテージサウンドも大好きだが、アクティヴ回路とEMGのピックアップが搭載されたレンジの広いダイナミックなサウンドも好きだからである。贅沢ではあるが楽曲によって楽器の特性などを考え、ベストなチョイスが出来たらより素晴らしい演奏や作品が出来ると思う。当然チョイスするセンスも重要になってくるが。
そしてこのNS-2は80年代前半のモノで、一時期スペクターがクレイマー社に買収されたのだが、その前のいわゆる<プリクレイマー>と呼ばれる時代のモノである。一部のマニアの人達には<名器>とされているらしい。ちょうど購入の際、同じ頃製造されたNS-2がもう1本あり、楽器屋さんに無理を言って、ラインの音等もチェックしたりして綿密に弾き比べて選んだ記憶がある。
スルーネックで、材質はメイプル、ピックアップは前述の通りEMGのPJである。サウンドはとにかく柔軟性があって、いろんなスタイルに対応出来る。優等生的な感じもあるので、逆に器用過ぎて面白みがないと言う意見もある。でも使い勝手はいいので1本あると何かと重宝するようだ。
このベースはHEESEY WITH DUDESの2ndミニアルバム『H・O・O・O!』のレコーディングの際、以下の3曲で使用した。
CHERRY、SOUL MATE、ニンフォマニア
MUSICMAN STINGRAY '99 BLACKSPARKLE

初めてスティングレイを弾いた時の音のインパクトは、未だに鮮明に耳が覚えている。17歳位の時、スティングレイがまだ登場して間もない頃だった。旧友が所有していて、弾かせてもらってその音圧にブッ飛んだ。その頃の他のベースに比べてズバ抜けて出力がデカく、音色の幅がとてつもなく広く感じたのがとても衝撃的だった。
以来気になってはいたが、なかなか手にするチャンスもなかった。多種多様なベースをあれこれと試していたのだろう。時は流れて'96年頃、低音の存在感について試行錯誤していた時期に、当時アメリカのバンドがよくスティングレイを使用していたため、現行モデルを試奏してみた。するとあの頃のインパクトが蘇った。でも時代が変わったからか、いまいち何かが違うと思ったら、初期モデルと現行モデルとはピックアップの配線が違うらしい。それではと早速配線を初期モデルと同じにしてもらったら、やはりあの独特なブッ飛んだサウンドがアンプから溢れ出た。
それからというもの、レコーディングになると必ずスティングレイをスタンバイしていて、実際かなりの頻度で使用した。その時使用していたモノはアッシュボディのサンバーストのモノだったが、アルダーボディのも試したら相当気に入ったので、2000年にこのブラックスパークルを手に入れた。ボディカラーもかなりのお気に入りだ。
スティングレイのサウンドの印象は、やはり存在感がデカい事が大きいと思う。ギターやキーボード等の低音にマスキングされにくいので、ドッシリ、ガッシリとそこに存在するのだ。その上、低域が太いベースは数あれど、さらに固いのである。個人的にはこの固くて太い低域がこのベースの大好きなポイントだ。ただ楽器の個性はかなり強い方なので、ならではのパワフルな音色ではあるが、好みも分かれそうだと思う。
このベースは、THE YELLOW MONKEYのライヴでは、'00年の夏フェスで数曲と、翌年のドーム公演で『メロメ』1曲のみに使用した他、レコーディングでは下記の曲で使用した。ジュディ、サイキックNo.9、人類最後の日、峠
またHEESEY WITH DUDESの2ndミニアルバム『H・O・O・O!』のレコーディングの際、下記の曲で使用した。YEAH 7(IT'S OUR ROCK'N ROLL)、CALL ME NOW、HEAVY ME-N-TAL MAN
B.C.RICH(JAPAN) WAVE BASS '85 BLACK

現在一番古くから所有している、長い付き合いのベース。昔から(今でも)ベースの売り買いが激しいのだが、これは絶対に手放せない一本である。
B.C.RICHは確か'70年代中頃にできたブランドで、以来有名ミュージシャン達がよく使用していた。当時日本にも輸入されていたが超高級機種なので、新品で50万円前後の値段がついていたため、単なる憧れのブランドだった。その後'80年代中頃にB.C.RICH JAPANという日本製のモノが売り出されて当時のオレのようなアマチュアでもやっと手の届くブランドになった(ちなみにMURBAS時代にわずかな期間だがモニターをさせてもらい、モッキンバードを使わせてもらった)。
'84、5年のある日、いろいろなブランドが掲載されている業務用のようなブ厚い楽器のカタログを見ていると、B.C.RICH JAPANのベースが何機種か載っていて、その中に初めて目にする風変わりなボディのベースがあった。それがこのWAVE BASSである(今でこそ時々店頭で目にする機会はあるが…)。他の機種はお馴染みのモノばかりだったせいか、妙にその波打つようなボディに惹かれて、早速メーカーに問い合わせてみた。するとカタログには載っているが日本で発売する予定はないという。昔から人と違うモノに興味をそそられていたオレは、知り合いの楽器屋さんを通してメーカーの人になんとか一本だけ作ってほしいとダメもとで頼み込んだ。熱意が伝わったのかOKしてくれた。長い製作期間を経て手元に届いた時は、凄く嬉しくて弾きまくったのを覚えている。
入手してしばらくはオリジナルのまま使用していたが、その後ペグとブリッジを替えピックアップもEMGに替えた。アクティヴ回路を搭載した事でサウンドはかなり変化し安定した。当時の好みの音になった。更にTHE YELLOW MONKEYのアマチュア時代にオリジナルのピックガードを取り付けてハットノブに替えた。これによりかなりイメージが変わって、ほぼ原型をとどめていないルックスになった。勿論24フレット、スルーネック、マホガニーボディといった基本的な仕様は変わらないが。
このベースは多少のブランクはあるものの、長きにわたって使用してきた。MURBASの後期~16LEGSの前期はメインで使用していたし、イエローモンキー時代にもライヴで使用したことがある。しかし何より思い出深いのは初期イエローモンキーのレコーディングでの使用である。なんと'91年発表のインディーズ盤『BUNCHED BIRTH』から'97年発表のメジャー6作目『SICKS』まで必ず1曲は使用しているのだ。それどころか『BUNCHED BIRTH』から『smile』までの5枚のアルバムは、ほんの数曲を除いて全てこのベースを使用してレコーディングしていたのだ。更にその後もHEESEY WITH DUDESのレコーディングでも使用した。
ピック弾き、指弾き、2ピックアップ使用、フロントピックアップのみ使用など方法は変えつつも長きにわたってレコーディングの苦楽を共にしてきた戦友のようなベース。例えば自他共に認める代表的名曲である『JAM』もこのベースを指弾きでレコーディングしたし、記念すべきソロプロジェクトの1stシングル『NAMELESS LOVER』もこのベースをピック弾きでレコーディングしたわけだ。ざっと数えただけでも50曲以上のレコーディングで使用してきた。他のどのベースより圧倒的に使用頻度が高い。自分でも驚きだ。ライヴでは他の数々のベースがスポットライトを浴びて活躍していたが、CDとして残されているサウンドはこのWAVE BASSが大きく貢献してくれた。コイツはレコーディングスタジオというあまり日のあたらない場所でオレを支えてくれた『愛すべき影の苦労人』なのである。
年齢と共に楽器のノウハウがわかってきて耳も肥えてきて、昨今フェンダーだぁギブソンだぁと言ってはいても、実はオレのベースサウンドの原点はこのベースにあるのかもしれない。またレコーディングで使ってみたいなぁと思う事はあるだろうが、手放す事は絶対にないだろう。
GRECO LIBERATOR BASS '04

HEESEY WITH DUDESで活動するにあたって、トレードマークになるような今まで使用したことがないベースが欲しかった。
神田商会さんに相談して<新しいheeseyモデル>的なモノを作っていただく事になった。せっかく一から作るのだからルックスとサウンドがちゃんと両立する粋なベースが欲しかった。かなり悩んだ結果、シェイプはボディがギブソンのメロディーメイカーでヘッドはグレコのオリジナルにしてもらった。何故メロディーメイカーにしたか…まずは素敵なネーミングだ。これを使うといいメロディーが浮かんでくる気がした。そしてジョーン・ジェットが長年トレードマークにしているが、実はジーン師匠がデビュー前後にメロディーメイカーとは違うがダブルカッタウェイの茶色いベースを使っていたのが一番の理由だ('75~'77年位の間、師匠はこのベースを元に作ったと思われる黒いオリジナルモデルを使用していた)。所詮なんともミーハーな理由である。現在使用中のパニッシャーもそうだがジーン師匠のオリジナルモデルはほとんどがダブルカッタウェイなのが特徴の一つだ。話が脱線したが、そういうミーハーな影響でサンダーバードやジャズベーも好きだがダブルカッタウェイというシェイプもかなり好きなのだ。個人的な思い込みだが特に歌いながら弾く時にダブルカッタウェイがマッチする気がする。
ボディカラーは以前黒からシルヴァースパークルにリフィニッシュしたサンダーバードがかなり気に入っていたので同じ仕様にしてもらった。しかし銀ラメの感じはなかなか全く同じにはならないもので、比べてみるとサンダーバードよりラメが細かく仕上がっている。
ピックアップの位置は相当試行錯誤した結果この位置に落ち着き、それに合わせて金属製のプレートをつけてもらった。自分でデザインしたピックガードとのバランスが絶妙である。パッシヴとアクティヴのピックアップを長年あれこれ使用してきたが、HEESEY WITH DUDESにはアクティヴピックアップがマッチするような気がしたのでEMGの2PUにしてみた。このベースに限らず、フロントのみの1PU使用時と2PU使用時では全然違う音色になり、バンド全体で音が混ざった時のベースの存在や低音の居場所が変わってくるのだ。ベースが完成して使い始めた‘04年頃はフロントのみで使用していたが、翌年位からは2PUを両方使用していた。
セットネックで、材質はメイプル、ピックアップはフロントがEMGのPタイプでリアがJタイプである。よく見るとわかると思うがリアPUが逆に取り付けてある。これは神田商会のクラフトマンの方のアイディアで、EMGのJタイプはマグネットがロゴの書いてある下あたりに入っているらしく普通に取り付けるとマグネットがブリッジ寄りになり過ぎてしまうらしい。このように逆にすることでPUが音を拾うのにいい位置にセットされるわけである。さすが熟練のアイディアだ。
『LIBERATOR(リベレイター)』という名前の由来は、HEESEY WITH DUDESの『SPIRIT FREE』の歌詞に出てくる言葉。『解放者』という意味で魂を解放してくれるベースになったらいいなあという想いで命名した。最初に目指した通り、ルックスもサウンドもかなり良くHEESEY WITH DUDES後期のトレードマークになった。今後も機会があったら使用していきたいと思う。